悪者にされる嫁

 そんなに暗く重い話ではないんですけど。

 夫が、友達との話の中でちょいちょい「嫁に怒られるんで」とか、「そんなことしたら嫁が怖いんでやめときます」みたいなことを言います。実際そんなに怒らなかった出来事についても、「嫁に怒られました」なんて、話を盛られたりします。

 なんでや。
 私を「夫をシメる悪妻」設定にして貶めたいんか。

 この前、夫が友人との約束を断るのに「嫁が怖いんでやめときますw」などと私の目の前で言っていたので、あとから「なんで私はいつも怒ってる鬼嫁設定なのか」と問うてみました。
 すると、「男の共通認識なんだよ。嫁(という立場の人)は怖い、逆らえない」とのこと。
 何かを断りたいとき、嫁を理由にすれば大抵の男友達は「なら仕方ないね」と身を引いてくれるんだそうです。
 それは夫なりの、角を立てないための処世術(私という別方向にめっちゃ角立ってるけど)なのだろうと、私は解釈しました。そして、妙に納得してしまったのです。私を貶めているわけではないと分かり、ホッとしたのもあるかもしれません。もしこれで、「いいじゃん面白いんだから」みたいなアンサーだったらブチ切れていたと思うのですが、そうではありませんでした。

「分かった、だったらいいよ」

 私は夫にそう伝えたのでした。
 
 
 公園のお池にカモがいたので、撮ってみました。

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