献血できなかった話

 今日はお昼から一人で池袋をぷらぷらしておりました。主にショッピングをしていて、あれこれ見ては逡巡して買ったり買わなかったり。
 そうして歩いているうちに疲れてきたところで、ふと目に留まった「献血ルーム」に入ってみようと思いました。中で飲み物が飲めたりゆっくりできると聞いたことがあったのと、いつかはやってみようと思っていてなかなかできずにいたのと。今、風邪などにはかかっていない、妊娠もしていないし授乳は終わっている……これはいけるぞと思いました。
 ですが、献血はできませんでした。
 動機が不純だったからではなく、夏に受けた手術のことがあったからです。がんの場合、術後5年は様子を見ないと献血できないのだそうで。
 またお願いしますね、と言われつつ献血カードだけいただいて、献血ルームをあとにしたのでした。
 5年後、どうかなぁと思いました。
 HPVが身体に住み続けている状況は変わらずに身体ばかりが衰えていく中で、再発しない方が可能性低いんじゃないの、という考えが頭を巡ります。今生において、私は献血というものを知らずに生涯を終えるのかもしれません。誰かの血液をいただくことはあっても。
 献血、若いうち……たとえばハタチくらいで一度やっとけば良かったな。そんなことを思うのでした。

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