一人で過ごす夜

 8月19日の朝に入院し、午後に手術を受けました。
 受けたのは、子宮頸部の、癌になりかけている部分を切除する手術です。3年ほど前から検査で引っ掛かり続けてはいたので、「手術しましょう」と医師から言われたときこそショックでしたが、割とすぐに「まぁいつかはこうなると半ば分かってたし、なるようにしかならん」と肚をくくりました。
 手術そのものは30分程度で済むものでしたが、病院に一泊しています。
 麻酔が……思っていたより強くて。術後、意識がハッキリしてきたのは6時間くらい経ってからでした。朦朧とする意識の中で「(手術)終わりましたよー」と言われ、ストレッチャーで運ばれながら「もう?」なんて思ったのは覚えています。さっきまで「(麻酔したのに)まだ脚の感覚あるけど大丈夫?」と思っていたはずなのに、気づいたら手術が終わっていました。

 しんどいのは、「ベッドが硬くて腰が痛い」「麻酔が切れるまで多少の吐き気があった」「あらゆる管が邪魔」「水すら飲めず丸一日が経過している」といったところです。点滴で水分と栄養を賄っているので死にはしないんですけど、喉が渇きます。さすがにお腹も空いてきました。
 あと、生理痛みたいな鈍痛がありますが、陣痛に比べたら屁でもないので、寝ている分にはそこまで気になりません。

 私が入院手続きをしている最中に、産気付いた方が緊急で来院していました。無事に生まれたかな……病棟のあちこちから泣き声が聞こえます。母子同室なんでしょうね。嬉しいけど大変よね。懐かしいです。

 息子はどうしているでしょうか。こんな長時間に渡って母親と離れるのは彼にとって初めてのことなので、気がかりです。基本的に物怖じしない子で不安感とかが分かりづらいのですが、ぐっすり眠れなかったりしているかもしれません。夜中、息子に異変があったとき、夫は気づけるのか……とにかく無事に朝を迎えてほしいと願っています。

 久しぶりに一人で眠れる夜だったのですが、結局、家より眠れないなんて。

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