2022/07/11 訃報(34w4d)

 この前の土曜日の夜、母と電話をした際に、祖母が亡くなったことを知らされました。
 年齢いくつだったんだ……と確認したら99歳でした。秋の誕生日を迎えられたら100歳だったのですが。

 足腰がかなり弱っていたし、骨折を機に施設にも入っていたし、先日私が実家を訪ねたときには「もう長くないみたいだから」と、連日かつ時間外の施設訪問も許可されていたし……覚悟というか心の準備はできていました。いや、そんなに仰々しいものでもなく、「時が来た」という感じ、というのがより正確な気持ちのような気がします。

 両親がフルタイム共働きの中で同居しつつ世話になっていた祖母ですし、私自身、小学校にあがるくらいまではおばあちゃん子だったのですが、今思えばなかなか難しい人でした。親だったら毒親と言われてもおかしくなかったと思います。テレビで赤ちゃんが出てくるたびに「昔は姉ちゃんも梔子ちゃんも可愛かった」と、「今は何なんだ、憎らしいのか?」と思わせる言葉を平気で言い、私達が十代の頃は姉や私に彼氏ができようものなら「ガキのくせに」と憎らしそうに言い放ち、大人になったら「結婚はまだか」の態度に掌返し。どうせ自分と同じお見合いじゃないと結婚どころか交際も認めなさそうだったので、若い頃の私は「祖母がいる限り結婚はできない気がする」と、半ば絶望している節がありました。
 ため息の出そうなエピソードは他にも挙げたらキリがないのですが、思い出すのもしんどいので挙げないでおきます。
 亡くなった人を悪く言うのは良くないのかもしれませんが、こっちにだって逆立ちしても「良い人だった」の一言で片付けられない思いがあります。家族とはそういうものなんじゃないかな、という気もします。

 両親は私が葬儀に参列することにすごく消極的でした。私はもうすぐ臨月、参列するなら2歳の息子を連れて行くことになる、しかし両親は忙しくて(父が喪主)サポートできない、という理由からでした。
 いくら複雑な思いのある祖母でも世話にはなったし同居していた家族です。周産期や産褥期ならともかく、今の状態で行かないのはさすがに不義理がすぎる、参列したいと母に頼んで、夫と息子と私の3人で告別式だけ参列することになりました。夫の休みが取れなくて通夜は断念しました。

 両親の言うとおり、里帰りついでに線香を上げるとかでもバチはあたらないと思うのですが、骨になった後の骨壷だけ見ても実感が湧かない気がして。法事はこの先何度かあるけれど、葬儀や告別式は一度だけだし。ハッキリとはしていませんが、自分の中で区切りをつけたい気持ちもあるのだと思います。

 母は「妊娠中に葬式に出るのは不吉なのでは」という話まで持ってきて、今日も私を止めにかかってきました。おそらく父も同じか、それ以上に私の参列に反対している気がします。なんだこの「招かれざる客感」は……この家の愛される末っ子(笑)としておそらく初めての扱いに少し驚きつつ、もし本当にそうであるならできるだけ迷惑のかからないよう準備、対策をしっかりして、当日を迎えたいと思います。

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